武の井酒造と、「ノブ・サカグラ・セラー・ドア」をご紹介させていただきます。私は、日本・山梨県にある株式会社武の井酒造の第6代目オーナーです。「武の井酒造」は日本酒と米焼酎を製造しています。米焼酎とは、日本酒を原料とした伝統的な日本のスピリッツです。私たちは1865年に事業を始めました。ほぼ百六十年の歴史を有していますが、我々の業界、つまり日本酒業界では、二百年に満たない歴史はそれほど長いとは言えません。私達は山梨県にあるとても小さなな酒造メーカーです。山梨県は富士山で有名です。もし日本を訪れる外国の方であれば、富士山に登ることを望むかもしれません。富士山は山梨県に位置しており、私たちの工場、セラー、酒蔵もまた山梨にあります。ここからは富士山を見ることができます。もし私たちの酒蔵、そして「ノブ・サカグラ・セラー・ドア」に訪れていただければ、富士山の美しい景色とともに、私たちの日本酒をお楽しみいただけるでしょう。
私たちは1865年から日本酒を造り、約百年前からは焼酎、すなわち日本酒のスピリッツも製造しています。そして、日本酒と焼酎に関して、二つの主要なブランドがあります。一つ目のブランドは『武の井』です。『武の井』は私たちの会社の名前です。それは私たちの日本酒の中でも非常に伝統的で核となるブランドです。『武の井』の特徴は、私たちの酒蔵の長い歴史の中で、スタイルを変えてきたことです。柔軟性と機敏性がこのブランドの特徴です。1970年代、日本人の多くが日本酒を飲んでいた頃、どちらかと言えば私たちは品質よりも量に重点を置いた酒造りをしていました。しかし、日本国内で日本酒の需要が減少した後、私たちは量から質へとシフトし始めました。そして現在、武の井は「量から質へ」の日本酒ブランドとなりました。さらに、新しいブランド『青煌』を立ち上げました。『青煌』は純米酒のブランドです。純米酒、つまり米のみを使用した日本酒です。米だけで作られた日本酒は、日本国内だけでなく、世界中で人気が高まっています。『青煌』の生産量は非常に少なく、年間 約100石《コク》です。これは非常に少ない量です。私たちは限られた販売店でのみ取り扱っています。『青煌』の特徴は、花酵母、特にバラの酵母を使用していることです。この花酵母は東京農業大学によって開発されました。東京農業大学の故 中田教授は、花から日本酒用の酵母を育てようと試みました。ナデシコの花やバラ、ひまわりなど、さまざまな種類の花が選ばれ、日本酒造りに適した酵母が抽出されました。そして、私たちはすべての花酵母を試し、最終的に『青煌』には、つるばらの花酵母を使用することにしました。
次に、焼酎、米焼酎についてお話ししましょう。私たちは、百年前から米焼酎を造り始めました。しかし、それはごく少量で、酒蔵の周辺に住む地元の人々のためだけに造られていました。しかし、1999年には、新しいブランド『八ヶ岳の舞』を立ち上げました。この新ブランドは、地元で販売されていた焼酎を、より広い地域へ展開することを目的としていました。『八ヶ岳の舞』には三種類の焼酎があります。一つ目は、百年前と全く同じレシピで作られる伝統的な焼酎で、アルコール度数は25%度です。二つ目は、アルコール度数35%度で、7年間樽で熟成させた焼酎です。7年間樽で熟成されているため、スコッチやブランデーのような味わいが特徴です。そして、2001年には私たちは、花酵母を使用した、非常にスムーズでエレガント、そして華やかでフローラルな焼酎の製造を開始しました。こうして『八ヶ岳の舞』には、あらゆるお客様のニーズや要望に応えられる三種類の焼酎が揃いました。さて『はなたれ』についても触れておきましょう。『はなたれ』とは、「最初の一滴」という意味です。蒸留から最初に滴る液体で、非常に高いアルコール度数と、非常に濃縮された味わいと香りを持っています。それは、米焼酎の新たな世界観を提供してくれることでしょう。
武の井酒造のショールームとして『ノブ・サカグラ・セラー・ドア』についてお話しします。『ノブ・サカグラ・セラー・ドア』は、日本酒を愛するお客様も、そうでない方も、また日本酒が飲めないお客様など、新しい層の方々を惹きつけるために作られました。さらに、海外からの観光客や世界中のお客様も、魅了していきたいと考えています。『ノブ・サカグラ・セラー・ドア』は、2024年3月8日にプレオープンし営業を開始しました。そして、同年の4月5日には、『ノブ・サカグラ・セラー・ドア』の新しいスペースがオープンしました。このスペースでは、私たちの日本酒を試飲し、日本酒にあう新しいパンを味わうことができます。是非『ノブ・サカグラ・セラー・ドア』で、お会い致しましょう。
社名 | 武の井酒造株式会社 TAKENOI SHUZO COMPANY, LTD. |
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所在地 | 〒408-0012 山梨県北杜市高根町箕輪1450番地 |
Tel | 0551-47-2277 |
Fax | 0551-47-2278 |
sake-takenoi@nifty.com |
1865年(慶応年間) | 清水武左衛門が箕輪村(現:北杜市高根町)にて創業 |
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1868年(慶応4年) | 管轄が幕府領甲府代官所から府中県、そして甲斐府となる |
1869年(明治2年) | 甲斐府が甲府県に改称 |
1871年(明治3年*) | 甲府県が山梨県に改称 |
1874年(明治7年*) | 箕輪村を含む3村が合併し安都那村となる |
1884年(明治17年) | 清水只一郎が二代目就任 |
1909年(明治42年) | 清水二萬が三代目就任 |
1940年(昭和15年) | 清水武文が四代目就任・旧酒税法制定(日本酒級別制度開始) |
1953年(昭和28年) | 酒税法改定 |
1954年(昭和29年) | 安都那村を含む4村が合併し高根村が発足 |
1962年(昭和37年) | 町制施行され高根町となる |
1972年(昭和47年) | 清水酒造店から武の井酒造株式会社へ法人化 |
1986年(昭和61年) | 清水武一が五代目就任 |
1992年(平成4年) | 日本酒級別制度廃止 |
1997年(平成9年) | 杜氏招聘制度を廃止し完全社内製造へ転換 |
1999年(平成11年) | 純米焼酎「八ケ岳の舞」販売開始 |
2001年(平成13年) | ナデシコ酵母(花酵母)の使用開始 |
2003年(平成15年) | 東京農大花酵母研究会設立 |
2004年(平成16年) | 高根町を含む7町村が合併し北杜市となる |
2007年(平成19年) | 純米銘柄「青煌」販売開始 |
2012年(平成24年) | 青煌「純米大吟醸」販売開始 |
2013年(平成25年) | 清水元章が六代目就任 |
2017年(平成29年) | 武の井「四季シリーズ」販売開始 |
2024年(令和6年) | NOBU SAKAGURA Cellar Door オープン |